9月30日のタカラジェンヌ飛び降り事件により、宝塚歌劇団宙組の有愛きいさんが亡くなりました。劇団は11月14日に行われた弁護士による調査報告書を公表し、有愛さんが上級生からの叱責を受けていたことを認めましたが、「社会通念上、不相当とはいえない」として、上級生からのパワーハラスメントは認められなかったと結論づけました。
しかし、この結論に対し、有愛さんの遺族側の弁護士は「調査委員会に提出した本人のLINE等、重要な証拠を無視している」と反論しています。そして、「週刊文春」の取材により、新たな事実が浮かび上がりました。有愛さんの死後、宙組のタカラジェンヌとして知られる桜木みなとさんが、事件に積極的に立ち上がっていたのです。
桜木みなとさんの行動
桜木みなとさんは、事態を重く見て宙組2番手スターとして、副組長の秋奈るいさんと共に、下級生を含む半数以上の生徒に対してヒアリングを実施しました。このヒアリングは、有愛さんの死後の数日間に行われたもので、劇団内の様々な声を集めるために行動しました。
その結果、先日の会見の前、11月上旬には、ヒアリング結果をまとめた「意見書」が作成され、これを劇団に提出しました。この文書には、労働環境とパワーハラの是正を求める内容が詳細に盛り込まれています。桜木みなとさんは、次期トップスターの有力候補であり、もし就任すれば宙組初の生え抜きトップとなります。しかし、現トップの芹香斗亜さんと宙組組長の松風輝さんがパワーハラの加害者として取り沙汰され、身動きが取れない中、桜木さんは散り散りになった生徒たちをまとめるべく、「二度と起きないための改善方法を考えよう」と奔走しています。
劇団の反応と週刊文春の報道
しかし、劇団は意見書が提出されてから約1週間後に行われた会見で、「上級生からのパワーハラは認められなかった」と結論づけました。この結果に対し、週刊文春は11月22日に発売された記事および11月21日に配信された電子版で、有愛さんの死の2日前に起きた下級生たちへの「壮絶パワーハラ」の中身など、劇団の会見での発表とは異なる事実を報じています。
週刊文春はまた、会見後に起きた「花組、雪組、星組トップスターによる劇団幹部への直談判」についても詳細に報道しており、劇団内部での不協和音が浮き彫りになっています。
桜木みなとさんの行動は、劇団内での問題が表面化する中での決断であり、彼女のリーダーシップと責任感が試されています。劇団の今後の対応や週刊文春の報道が、この悲劇に関する真相解明にどのような影響を与えるのか、引き続き注目が集まります。